失業保険とアルバイト｜受給条件を満たす働き方とは？

失業保険を受給しながらアルバイトを考えているなら、受給条件を満たす働き方を知っておくことが大切です。

条件を満たさずにアルバイトをすると、失業保険が減額・停止される可能性があります。

失業保険は、離職者の生活を支え、再就職を促進するための制度です。

アルバイトで生活費を補填したいと考える方もいると思いますが、労働時間や収入によっては、失業保険の受給額に影響が出ます。

アルバイトの種類別に失業保険への影響をまとめたので、ご自身の状況に合わせた働き方を選択しましょう。

この記事でわかること

失業保険とアルバイト受給の条件

失業保険を受給しながらアルバイトをするには、受給条件を満たす必要があります。

条件を満たさずにアルバイトをしてしまうと、失業保険が減額されたり、受給が停止されたりする可能性があります。

アルバイトが受給に与える影響や、受給資格を維持するための条件について、以下で詳しく解説していきます。

失業保険受給とアルバイトの関係性

失業保険は、離職者の生活を支え、再就職を促進するための制度です。

再就職までの間、アルバイトで生活費を補填したいと考える方もいると思いますが、失業保険を受給しながらアルバイトをすることは可能です。

ただし、アルバイトをする際には、いくつかの条件を満たす必要があります。

アルバイトが受給に与える影響

アルバイトが失業保険の受給に与える影響は、労働時間と収入によって異なります。

労働時間	収入	影響
1日4時間未満	給与と失業保険の日額の合計が、賃金日額の80％以内	失業保険は全額支給
1日4時間未満	給与と失業保険の日額の合計が、賃金日額の80％を超える	失業保険が減額
1日4時間未満	アルバイトの給与だけで賃金日額の80％を超える	失業保険は支給されない
1日4時間以上	収入額に関わらず	その日の失業保険は支給されず先送り
週20時間以上かつ31日以上の雇用見込み	–	就職とみなされ、失業保険の受給資格を失う

受給資格を維持するための条件

失業保険を受給しながらアルバイトをするには、以下の条件を満たす必要があります。

具体的には、1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上雇用される見込みがある場合は、雇用保険に加入することになり、失業保険の受給資格を失います。

1日の労働時間が4時間以上になると、その日は失業保険が支給されません。

ただし、受給期間内で繰り越されるため、受給できる日数が減るわけではありません。

アルバイト収入が一定額を超えると、失業保険が減額または支給停止となる場合があります。

アルバイトをした場合は、必ずハローワークに申告する必要があります。

申告を怠ると、不正受給とみなされる可能性があります。

これらの条件を守ってアルバイトをすれば、失業保険を受給しながらでも生活費を補填できます。

アルバイトの種類と失業保険への影響

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、労働時間、収入、雇用形態が失業保険の受給に影響を与えます。

これらの条件を理解し、適切に対応することで、失業保険を受給しながら生活費を補填できます。

以下に、アルバイトの種類別に失業保険への影響をまとめました。

アルバイトを検討している場合は、これらの情報を参考に、ご自身の状況に合わせた働き方を選択しましょう。

労働時間による影響

労働時間は、失業保険の受給資格に直接影響します。

1週間の労働時間が20時間未満であれば、原則として失業保険の受給資格を維持できます。

ただし、労働時間が短い場合でも、収入によっては失業保険が減額されることがあります。

労働時間	失業保険への影響
20時間未満	受給資格あり。ただし、収入によっては減額の可能性あり
20時間以上	就労とみなされ、失業保険の受給資格を失う
1日の労働4時間以上	その日の失業手当は支給されず先送りになる
1日の労働4時間未満	賃金額によっては受給額が減額になる可能性がある

収入による影響

アルバイト収入は、失業保険の受給額に影響を与えます。

1日のアルバイト収入が一定額を超えると、失業保険が減額または支給停止となる場合があります。

具体的には、アルバイト収入と失業保険の日額の合計が、退職前の賃金日額の80%を超えると、失業保険が減額されます。

収入	失業保険への影響
賃金日額の80%以内	失業保険は全額支給
賃金日額の80%を超える	超えた分の金額に応じて失業保険が減額
アルバイトの給与だけで賃金日額の80%を超えた場合	失業保険は支給されない

雇用形態による影響

雇用形態も、失業保険の受給に影響を与える要素の一つです。

正社員や契約社員として雇用保険に加入する働き方をした場合、失業保険の受給資格を失います。

一方、アルバイトやパートとして働く場合は、労働時間や収入の条件を満たせば、失業保険を受給しながら働くことが可能です。

雇用形態	失業保険への影響
正社員	就職とみなされ、失業保険の受給資格を失う
契約社員	就職とみなされ、失業保険の受給資格を失う
アルバイト	労働時間や収入の条件を満たせば、失業保険を受給しながら働くことが可能
パート	労働時間や収入の条件を満たせば、失業保険を受給しながら働くことが可能

失業保険受給中にアルバイトをする際の注意点

失業保険を受給しながらアルバイトをする場合、ハローワークへの申告義務を遵守し、収入や労働時間を適切に管理することが非常に重要です。

不正受給とみなされると、厳しいペナルティが課せられる可能性があるため注意が必要です。

ハローワークへの申告義務

失業保険を受給中にアルバイトを始めた場合、必ずハローワークに申告する義務があります。

申告を怠ると不正受給とみなされ、失業保険の支給停止や返還命令を受ける可能性があります。

収入額の計算方法

アルバイト収入が失業保険の受給額に影響を与えるため、正確な収入額を把握し、計算することが大切です。

収入額の計算方法を誤ると、過少申告につながり、不正受給とみなされるリスクがあります。

項目	説明
収入の申告	アルバイト収入は、実際に受け取った金額（手取り額）ではなく、総支給額を申告する
控除額	交通費や税金、社会保険料などが差し引かれる前の金額を申告する
申告時期	4週間に1度の失業認定日に、前回の認定日から今回の認定日までの収入を申告する

ハローワークへの申告時には、給与明細やタイムカードなどの収入を証明できる書類を提出する必要があります。

不正受給にならないために

失業保険の不正受給は、意図的でなくても知識不足や誤解によって発生する可能性があります。

不正受給にならないためには、ハローワークの指示に従い、正確な情報を申告することが不可欠です。

行為	説明	ペナルティ
無申告	アルバイト収入があったにも関わらず、ハローワークに申告しない	支給停止、返還命令、納付命令（最大で不正受給額の3倍）
虚偽申告	労働時間や収入を実際よりも少なく申告する	支給停止、返還命令、納付命令（最大で不正受給額の3倍）
就労の隠蔽	就職したにも関わらず、失業保険を受給し続ける	支給停止、返還命令、納付命令（最大で不正受給額の3倍）、刑事告発

失業保険に関するルールは複雑で分かりにくい点も多いため、疑問点があれば必ずハローワークに確認しましょう。

よくある質問（FAQ）

失業保険受給中にパートとして働くことは可能ですか？

待機期間中は働くことができませんが、失業保険の受給が決定した後であれば、パートとして働くことは可能です。

ただし、労働時間や収入によっては、失業保険の給付が減額または停止となる場合があります。

どのような働き方をすると失業保険は受給できなくなりますか？

雇用保険の加入条件を満たす働き方をすると、失業保険は受給できなくなります。

具体的には、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合や、1週間の所定労働時間が20時間以上の場合が該当します。

1日の労働時間が4時間以上になる場合はどうなりますか？

1日の労働時間が4時間以上になる場合、その日の失業保険は支給されません。

ただし、不支給となった日は受給期間内で繰り越されるため、受給期間が残っていれば後日受け取ることが可能です。

アルバイト収入がある場合、失業保険はどのように計算されますか？

1日の労働時間が4時間未満の場合、一日分の収入から1,282円を差し引いた額と失業保険の日額の合計が、賃金日額の80％以上になる場合は失業保険が減額されます。

超過分が失業保険の日額以上となる場合は、失業保険を受給できません。

アルバイトを始めた場合、どのような手続きが必要ですか？

ハローワークへの申告が必要です。

収入の有無に関わらず、失業認定申告書にアルバイト・パートとして働いた日などを正確に記入してください。

収入があった直後の認定日は、労働時間と賃金を確認するため、タイムカードと給与明細が必要になります。

アルバイトを申告せずに失業保険を受給した場合、どうなりますか？

申告なしに失業保険を受給した場合は不正受給となります。

不正受給が発覚すると、その後の受給が受けられなくなるだけでなく、不正に受給した金額の返還を求められ、さらに最大で不正受給した金額の3倍の納付を命じられる可能性があります。

悪質な場合は刑事事件として告発される可能性もあります。

まとめ

失業保険とアルバイトを両立するためには、受給条件を満たす働き方を選ぶことが重要です。

この記事を参考に、ご自身の状況に合わせた働き方を見つけ、ハローワークに相談しながら、賢く失業保険とアルバイトを両立させましょう。