失業保険｜自己都合の期間を徹底解説-受給条件・日数・計算方法[2025年最新]

自己都合で退職された場合、失業保険の給付期間や受給条件が複雑で不安に感じる方もいるかもしれません。

しかし、制度を正しく理解すれば、退職後の生活を支える大きな助けとなります。

この記事では、自己都合退職における失業保険の受給条件から給付日数、計算方法までを徹底的に解説します。

さらに、2025年の法改正情報や、給付制限期間を短縮するための教育訓練についてもご紹介します。

これらの情報を参考に、安心して再就職への一歩を踏み出しましょう。

この記事でわかること

失業保険：自己都合退職者の給付期間と受給知識

失業保険は、離職された方が次の仕事を見つけるまでの生活を支える大切な制度です。

特に自己都合退職の場合、給付期間や受給条件が複雑になるため、正確な情報を把握しておくことが重要になります。

自己都合退職の場合でも、失業保険の受給は可能です。

しかし、会社都合退職とは異なり、給付開始までに待機期間や給付制限が設けられている点が異なります。

この点を理解しておくことが、スムーズな受給につながります。

項目	内容
自己都合退職の受給条件	離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること
待機期間	7日間
給付制限期間	原則2ヶ月（2025年4月以降は1ヶ月に短縮される可能性があります）
給付日数	雇用保険の加入期間によって異なり、1年未満の場合は90日、1年以上5年未満の場合は90日、5年以上10年未満の場合は90日、10年以上20年未満の場合は120日、20年以上の場合は150日
給付額の計算方法	賃金日額 × 給付率（50～80％）で計算され、年齢と賃金によって変動します。
2025年法改正	一定の教育訓練を受講した場合、給付制限期間が短縮される可能性があります。
相談窓口	ハローワーク

自己都合退職でも失業保険はもらえる？

自己都合退職の場合でも、雇用保険の加入期間などの条件を満たせば、失業保険を受給できます。

ただし、会社都合退職に比べて、給付開始までに時間がかかることを理解しておく必要があります。

自己都合退職で失業保険を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

具体的には、離職日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが必要です。

この条件を満たしていれば、ハローワークで求職の申し込みを行い、失業状態にあることを認定してもらうことで、失業保険の受給資格を得られます。

失業保険の受給資格要件

失業保険を受給するためには、ハローワークでの手続きや求職活動を行う意思があることが求められます。

これらの要件を満たすことで、失業保険の受給がスムーズに進みます。

失業保険の受給資格を得るためには、以下の要件を満たす必要があります。

これらの要件を満たしていれば、自己都合退職であっても失業保険を受給できます。

自己都合退職における失業保険期間の基礎知識

自己都合で退職した場合、失業保険の受給開始までに待機期間と給付制限という2つの期間を経る必要があります。

これらの期間を理解することで、いつから、どれくらいの期間、失業保険がもらえるのかを把握し、退職後の生活設計に役立てることができます。

ここでは、待機期間と給付制限の違い、給付日数が雇用保険加入期間によってどのように変動するのか、そして給付額がどのように計算されるのかを解説します。

待機期間と給付制限の違い

失業保険の受給にあたっては、7日間の待機期間と、原則として2ヶ月間の給付制限があります。

これらは混同されがちですが、意味合いが異なります。

項目	待機期間	給付制限
期間	7日間	原則2ヶ月間（2025年4月以降は1ヶ月に短縮）
開始日	ハローワークに求職の申し込みをした日から	待機期間満了日の翌日から
目的	失業状態の確認	自己都合退職に対するペナルティ
注意点	待機期間中は原則としてアルバイトなどができない	給付制限中は失業保険が支給されない

給付日数は雇用保険加入期間で変動

失業保険の給付日数は、雇用保険の被保険者期間によって変動します。

加入期間が長ければ長いほど、給付日数も長くなります。

雇用保険の被保険者期間	給付日数
1年未満	90日
1年以上5年未満	90日
5年以上10年未満	90日
10年以上20年未満	120日
20年以上	150日

例えば、10年以上20年未満雇用保険に加入していた人が自己都合で退職した場合、120日分の失業保険が支給されます。

給付額の計算方法：賃金日額と年齢が影響

失業保険の給付額は、退職前の賃金（賃金日額）と年齢によって計算されます。

賃金日額とは、退職前6ヶ月間の賃金合計を180で割った金額です。

年齢	賃金日額	給付率	基本手当日額
29歳以下	2,869円以上5,200円未満	80%	2,295円～4,159円
	5,200円以上12,790円以下	80%～50%	4,160円～6,395円
	12,790円超14,130円以下	50%	6,395円～7,065円
	14,130円超	–	7,065円（上限額）
30～44歳	2,869円以上5,200円未満	80%	2,295円～4,159円
	5,200円以上12,790円以下	80%～50%	4,160円～6,395円
	12,790円超15,690円以下	50%	6,395円～7,845円
	15,690円超	–	7,845円（上限額）
45～59歳	2,869円以上5,200円未満	80%	2,295円～4,159円
	5,200円以上12,790円以下	80%～50%	4,160円～6,395円
	12,790円超17,270円以下	50%	6,395円～8,635円
	17,270円超	–	8,635円（上限額）
60～64歳	2,869円以上5,200円未満	80%	2,295円～4,159円
	5,200円以上11,490円以下	80%～45%	4,160円～5,170円
	11,490円超16,490円以下	45%	5,170円～7,420円
	16,490円超	–	7,420円（上限額）

給付率は年齢と賃金によって異なり、賃金が低いほど給付率が高く、年齢が高いほど上限額が高くなります。

2025年法改正｜教育訓練受講で給付制限が短縮

失業保険の給付制限期間は、自己都合退職の場合に発生する原則2ヶ月の期間ですが、2025年4月以降に特定の教育訓練を受講することで、この期間が短縮される可能性があります。

これにより、早期の生活再建と再就職を支援する制度改正となります。

この見出しでは、給付制限短縮の対象となる教育訓練、手続きの流れと注意点、そして給付制限なしで受給するためのポイントを解説します。

これらの情報を把握することで、よりスムーズな失業保険の受給が可能になります。

給付制限短縮の対象となる教育訓練とは

給付制限短縮の対象となる教育訓練は、厚生労働大臣が指定する「専門実践教育訓練」や「特定一般教育訓練」などの雇用保険の教育訓練給付制度の対象となる講座です。

これらの講座は、ITスキルや介護、医療など、再就職に有利な専門知識や技能を習得できるものが多くあります。

受講することで給付制限期間が短縮される背景には、労働市場の変化に対応できる人材育成を促進するという目的があります。

リスキリングを通じて、より早く安定した就職を実現できるよう支援するための措置です。

手続きの流れと注意点

教育訓練を受講して給付制限の短縮を受けるためには、いくつかの手続きが必要です。

まず、ハローワークで求職の申し込みを行い、受給資格の決定を受ける必要があります。

次に、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、受講証明書または修了証明書をハローワークに提出します。

手続きの際には、以下の点に注意が必要です。

項目	内容
教育訓練の開始時期	原則として、受給資格決定日から1ヶ月以内に開始される必要があります。
受講期間	教育訓練の受講期間が、原則として1ヶ月以上である必要があります。
受講状況	教育訓練に8割以上出席している必要があります。
受講証明書または修了証明書	教育訓練実施機関が発行する受講証明書または修了証明書を、ハローワークに提出する必要があります。

これらの条件を満たすことで、給付制限期間が短縮され、より早く失業保険を受給することができます。

給付制限なしで受給するためのポイント

給付制限を受けずに失業保険を受給するためには、自己都合退職ではなく、会社都合退職と認定されるように働きかけることが重要です。

具体的には、退職理由が会社の経営悪化や倒産、またはハラスメントなどの正当な理由によるものであることを証明する必要があります。

また、特定理由離職者として認定されることも有効な手段です。

特定理由離職者とは、病気やケガ、家族の介護などのやむを得ない理由で退職した人を指します。

これらの理由をハローワークに申し出て、認められることで、給付制限なしで失業保険を受給することができます。

失業保険受給までの流れと注意点

失業保険をスムーズに受給するためには、事前の準備と正確な手続きが不可欠です。

離職票の準備からハローワークでの手続き、待機期間中の過ごし方、雇用保険説明会への参加、求職活動実績の作り方、そして不正受給のリスクまで、一連の流れを理解しておくことが大切です。

離職票の準備とハローワークでの手続き

離職票は、退職した会社から発行される重要な書類であり、失業保険の申請に必須です。

離職票には、退職日、賃金、退職理由などが記載されています。

ハローワークでの手続きでは、求職の申し込みを行い、失業保険の受給資格を確認します。

離職票、雇用保険被保険者証、本人確認書類、印鑑などが必要になります。

ハローワークで求職の申し込みを行うことで、失業保険の受給手続きが開始されます。

7日間の待機期間中の過ごし方

待機期間とは、ハローワークに求職の申し込みをした日から7日間のことで、この期間中は失業保険は支給されません。

待機期間中は、原則としてアルバイトやパートなどの就労はできません。

待機期間中は、求職活動の準備や今後の生活設計を立てるなど、再就職に向けて準備をすることが推奨されます。

待機期間は、失業保険の受給資格を得るための最初のステップであり、重要な期間となります。

雇用保険説明会への参加

雇用保険説明会は、失業保険の受給に関する重要な情報が提供される場です。

説明会では、受給資格、受給期間、受給額、求職活動の義務などについて詳しく説明されます。

雇用保険説明会への参加は、失業保険を受給するための必須条件となっており、原則として全員が参加しなければなりません。

説明会では、雇用保険受給資格者証や失業認定申告書など、今後の手続きに必要な書類が配布されます。

求職活動実績の作り方と注意点

失業保険を受給するためには、求職活動実績を作ることが義務付けられています。

求職活動実績とは、ハローワークでの職業相談、求人への応募、転職フェアへの参加、再就職支援セミナーの受講などが該当します。

求職活動実績は、原則として4週間に2回以上必要であり、失業認定日にハローワークに報告する必要があります。

求職活動実績を偽って報告すると、不正受給となる可能性があるため、注意が必要です。

不正受給のリスクとペナルティ

不正受給とは、虚偽の申告や不正な手段によって失業保険を受給することです。

不正受給が発覚した場合、受給した失業保険の返還だけでなく、ペナルティとして返還額の2倍に相当する金額を支払う必要が生じる可能性があります。

不正受給は、刑事告発される可能性もあり、重大な犯罪行為とみなされます。

失業保険は、再就職を支援するための大切な制度です。

正しく理解し、適切に利用することが重要です。

失業保険受給後の再就職支援制度

失業保険を受給した後も、みなさんの再就職を支援するための制度がいくつか存在します。

これらの制度を有効に活用することで、スムーズな再就職を目指しましょう。

ハローワークの職業訓練制度

ハローワークでは、みなさんのスキルアップや再就職を支援するため、様々な職業訓練を提供しています。

これらの訓練は、みなさんが新たなスキルを習得し、再就職を有利に進めるためのものです。

再就職手当の受給条件と申請方法

再就職手当は、早期に安定した職業に就いたみなさんに対して、失業保険の残りの支給日数を一定割合で支給する制度です。

これは、みなさんの早期の再就職を促進するためのものです。

就業促進定着手当とは

就業促進定着手当は、再就職手当を受給したみなさんが、再就職先に6ヶ月以上継続して雇用されている場合に支給される手当です。

これは、みなさんの再就職後の安定を支援するためのものです。

- （離職前の賃金日額 - 再就職後の賃金日額）× 再就職後6ヶ月間の賃金支払い基礎日数


手当の種類	受給条件	支給額
再就職手当	待機期間満了後の就職、支給残日数1/3以上など	支給残日数に応じて失業保険の一定割合
就業促進定着手当	再就職手当受給、6ヶ月以上の継続雇用、再就職先の賃金が離職前より低い	離職前と再就職後の賃金差額に応じて算出

これらの再就職支援制度は、みなさんの状況やニーズに合わせて活用することで、よりスムーズな再就職につながります。

ハローワークや関連機関に相談し、自分に合った支援を見つけてください。

よくある質問（FAQ）

失業保険は自己都合退職の場合、いつもらえるのですか？

自己都合で退職された場合、失業保険の受給開始は、ハローワークで求職の申し込みをしてから約2ヶ月後になります。

これは、7日間の待機期間と、原則として2ヶ月間の給付制限期間があるためです。

ただし、2025年4月以降に特定の教育訓練を受講した場合は、給付制限期間が短縮される可能性があります。

自己都合で退職しましたが、会社都合にできるケースはありますか？

自己都合退職の場合でも、労働条件が当初の契約と異なっていたり、会社側に問題があったりする場合は、会社都合退職として扱われる可能性があります。

具体的には、会社の経営悪化やハラスメントなどが理由で退職を余儀なくされた場合です。

まずはハローワークに相談し、状況を説明することをおすすめします。

失業保険の給付日数について教えてください。

自己都合退職の場合、雇用保険の加入期間によって給付日数が異なります。

1年未満の場合は90日、1年以上5年未満の場合も90日、5年以上10年未満の場合も90日、10年以上20年未満の場合は120日、20年以上の場合は150日となります。

ご自身の加入期間を確認し、該当する給付日数を確認しましょう。

2025年の法改正で、給付制限期間は短縮されるのですか？

はい、2025年4月以降に、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練や特定一般教育訓練などの教育訓練を受講した場合、給付制限期間が短縮される可能性があります。

これにより、早期の生活再建と再就職が促進されます。

待機期間中にアルバイトはできますか？

待機期間中は、原則としてアルバイトやパートなどの就労はできません。

待機期間は、失業状態を確認するための期間であり、この期間中に収入を得ることは、失業状態とはみなされないためです。

失業保険受給中に、やってはいけないことはありますか？

失業保険を受給するためには、積極的に求職活動を行う必要があります。

求職活動を怠ったり、アルバイトなどで収入を得ていることを隠したりすると、不正受給とみなされる可能性があります。

不正受給が発覚した場合、受給した失業保険の返還だけでなく、ペナルティが科せられることもあるため、注意が必要です。

まとめ

この記事では、自己都合退職における失業保険の受給について、受給条件から給付日数、計算方法、そして2025年の法改正情報までを網羅的に解説しました。

この記事を参考に、ハローワークで相談し、ご自身に合った支援を受けながら、再就職に向けて一歩を踏み出しましょう。