失業給付金|条件をわかりやすく解説-受給資格・期間・金額

会社を退職されたみなさんの中には、「失業給付金を受け取りたいけど、自分は条件を満たしているのかな？」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

失業給付金は、失業中の生活を支え、再就職を促進するための大切な制度です。

失業給付金を受け取るには、雇用保険の加入状況や離職理由など、いくつかの条件を満たす必要があります。

条件をしっかり理解することで、スムーズな受給につながります。

この記事では、受給資格を得るために重要な条件をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

失業給付金受給の必須条件

失業給付金を受け取るためには、雇用保険への加入状況、離職理由、求職活動状況など、複数の条件を満たす必要があります。

これらの条件は、失業給付金が失業中の生活を支え、再就職を促進するための制度であるため、条件を正しく理解することで、スムーズな受給につながります。

雇用保険加入と離職日の関係

雇用保険は、労働者の生活と雇用の安定を図るための国の制度です。

失業給付金を受け取るには、離職日以前に一定期間、雇用保険に加入している必要があります。

項目	詳細
加入条件	週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがあること
加入期間	原則として、離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上必要
特定理由離職者・会社都合退職者	離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上で受給できる場合がある
注意点	短時間労働者や派遣労働者も条件を満たせば加入可能

離職理由の種類と給付制限

離職理由は、自己都合退職と会社都合退職の2種類に大きく分けられます。

離職理由によって、失業給付金の受給開始時期や給付日数に違いが生じるため、離職理由を正しく理解することが重要です。

離職理由	詳細	給付制限
自己都合退職	労働者自身の意思で退職した場合。転職、キャリアアップ、結婚などが理由となる	原則として、7日間の待機期間満了後、1ヶ月の給付制限期間がある。ただし、令和7年4月1日以降に離職し、リスキリングを目的とした教育訓練を受けた場合は、給付制限が解除される可能性がある
会社都合退職	会社の倒産、解雇、退職勧奨など、会社の都合で退職した場合。労働条件の著しい悪化、ハラスメントなども含まれる	7日間の待機期間満了後、すぐに受給可能
特定理由離職者	期間満了による退職、病気やケガ、家族の介護など、やむを得ない理由で退職した場合。会社都合退職と同等の扱いとなる	7日間の待機期間満了後、すぐに受給可能
注意点	離職理由に不満がある場合、ハローワークに異議申し立てが可能。会社都合退職に該当する場合は、自己都合退職よりも有利な条件で失業給付金を受給できる。離職理由の判断は、ハローワークが個別に行うため、必ず確認すること

求職活動の具体的な内容

失業給付金は、失業中の生活を支えるだけでなく、再就職を促進するための制度です。

受給期間中は、積極的に求職活動を行う必要があり、求職活動の内容は、失業認定を受けるための重要な要素となります。

求職活動の種類	具体的な内容	注意点
ハローワークでの職業相談	専門の相談員に仕事の相談や紹介を受ける	積極的に相談し、求職活動の計画を立てることが重要
求人への応募	企業の求人に応募し、選考を受ける	応募する求人は、自分のスキルや経験に合ったものを選ぶことが重要
面接	企業の面接を受け、自己PRや質疑応答を行う	面接の準備をしっかり行い、自分の能力や経験を効果的に伝えることが重要
職業訓練の受講	スキルアップやキャリアチェンジのために、ハローワークが実施する職業訓練を受講する	受講には一定の条件があるため、事前にハローワークに相談することが重要
就職支援セミナーへの参加	履歴書の書き方、面接対策、自己分析など、就職活動に役立つセミナーに参加する	セミナーで得た知識やスキルを、実際の求職活動に活かすことが重要
その他の求職活動	資格取得のための学習、企業説明会への参加、知人への紹介依頼など、就職につながる活動	求職活動として認められるかどうかは、ハローワークの判断によるため、事前に確認することが重要
求職活動実績	原則として、月に2回以上の求職活動実績が必要。実績が不足する場合は、失業認定を受けられない可能性がある。求職活動の内容は、失業認定申告書に詳細に記入し、ハローワークに提出。求職活動の証拠となる書類（応募書類のコピー、面接の通知、セミナーの参加証明書など）を保管することが重要	ハローワークによっては、求職活動実績として認められる範囲が異なる場合があるため、事前に確認すること

失業給付金受給資格を左右するポイント

失業給付金を受け取るためには、雇用保険の加入期間、離職理由、そして特定理由離職者に該当するかどうかが非常に重要です。

これらの要素は、受給資格の有無だけでなく、給付日数や給付開始時期にも大きく影響します。

雇用保険の加入期間と注意点

雇用保険の加入期間は、失業給付金を受給するための基本的な条件です。

一般的に、離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上必要です。

項目	内容
加入期間	離職日以前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要
短期雇用	雇用保険は、週20時間以上働く場合に加入義務が生じる
注意点	パートやアルバイトでも、週20時間以上勤務していれば雇用保険の加入対象となる

自己都合退職と会社都合退職の違い

離職理由の違いは、失業給付金の受給開始時期に大きく影響します。

自己都合退職の場合、給付制限期間（原則1ヶ月）が設けられますが、会社都合退職の場合は待機期間（7日間）経過後すぐに受給できます。

項目	自己都合退職	会社都合退職
給付制限	あり（原則1ヶ月）	なし
受給開始	待機期間（7日間）＋給付制限期間後	待機期間（7日間）後
例	労働条件の不一致、スキルアップのための転職など	倒産、解雇、事業所の移転による通勤困難など
注意点	令和7年4月以降、自己都合退職でもリスキリングのための教育訓練を受けた場合は、給付制限が解除される可能性がある (参考: 厚生労働省 )	会社都合退職と判断されるためには、ハローワークでの確認が必要

特定理由離職者の優遇措置

特定理由離職者とは、病気やケガ、家族の介護など、やむを得ない理由で離職した方を指します。

特定理由離職者は、一般の離職者よりも受給要件が緩和されるという優遇措置があります。

項目	内容
受給要件	離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給可能
給付日数	一般の離職者よりも給付日数が多くなる場合がある
対象者	病気やケガ、家族の介護、配偶者の転勤などが理由で離職した方
注意点	特定理由離職者に該当するかどうかは、ハローワークでの確認が必要

失業給付金を受け取るためには、ご自身の雇用保険加入状況や離職理由を正確に把握し、ハローワークで適切な手続きを行うことが不可欠です。

失業給付金受給に向けたステップ

失業給付金を受け取るためには、ハローワークでの手続きや受給説明会への参加など、いくつかのステップを踏む必要があります。

これらのステップを一つずつ確実に進めることで、スムーズに失業給付金を受給し、再就職に向けた活動に集中できます。

失業給付金受給に向けたステップは、ハローワークでの求職申し込みから始まり、給付金受給開始と求職活動継続へと続きます。

各ステップの詳細を以下で強調します。

ハローワークでの求職申し込み

まず、ハローワークで求職の申し込みを行います。

求職の申し込みは、失業給付金を受け取るための最初のステップです。

ハローワークの窓口で求職申込書を記入し、雇用保険被保険者証や離職票などの必要書類を提出します。

受給説明会への参加

求職の申し込み後、ハローワークが指定する受給説明会に参加します。

受給説明会では、失業給付金の制度概要や受給要件、手続きの流れなどについて詳しく説明されます。

雇用保険受給資格者証の受け取り

受給説明会に参加後、雇用保険受給資格が認められると、雇用保険受給資格者証が交付されます。

雇用保険受給資格者証は、失業給付金を受け取るために必要な書類です。

失業認定日に必要な手続き

雇用保険受給資格者証を受け取った後は、指定された失業認定日にハローワークへ行き、失業の認定を受けます。

失業の認定を受けるためには、求職活動の実績を報告する必要があります。

給付金受給開始と求職活動継続

失業の認定を受けると、失業給付金の受給が開始されます。

給付金は、指定された口座に振り込まれます。

給付金を受け取りながら、引き続き求職活動を行う必要があります。

よくある質問（FAQ）

失業給付金を受け取るには、どのような条件を満たす必要がありますか？

失業給付金を受け取るには、雇用保険への加入状況、離職理由、求職活動状況など、複数の条件を満たす必要があります。

これらの条件は、失業中の生活を支え、再就職を促進するための制度であるため、条件を正しく理解することが重要です。

雇用保険にはどのような条件で加入できますか？

雇用保険は、労働者の生活と雇用の安定を図るための国の制度です。

失業給付金を受け取るには、離職日以前に一定期間、雇用保険に加入している必要があります。

加入条件は、週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがあることです。

離職理由にはどのような種類があり、給付制限にどのように影響しますか？

離職理由には、自己都合退職と会社都合退職の2種類に大きく分けられます。

離職理由によって、失業給付金の受給開始時期や給付日数に違いが生じるため、離職理由を正しく理解することが重要です。

自己都合退職の場合、原則として給付制限期間が設けられており、すぐに失業給付金を受給することはできません。

失業給付金を受給するためには、どのような求職活動が必要ですか？

失業給付金は、失業中の生活を支えるだけでなく、再就職を促進するための制度です。

受給期間中は、積極的に求職活動を行う必要があり、求職活動の内容は、失業認定を受けるための重要な要素となります。

求職活動には、ハローワークでの職業相談や求人への応募、面接、職業訓練の受講などがあります。

雇用保険の加入期間が短い場合、失業給付金を受給できますか？

雇用保険の加入期間は、失業給付金を受給するための基本的な条件です。

一般的に、離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上必要です。

ただし、特定理由離職者に該当する場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給できる場合があります。

自己都合退職の場合、失業給付金の受給開始はいつになりますか？

自己都合退職の場合、給付制限期間（原則1ヶ月）が設けられます。

待機期間（7日間）＋給付制限期間後から受給できます。

ただし、令和7年4月以降、自己都合退職でもリスキリングのための教育訓練を受けた場合は、給付制限が解除される可能性があります。

まとめ

失業給付金は、失業中の生活を支え、再就職を促進するための大切な制度です。

この記事では、失業給付金を受け取るために重要な以下のポイントを解説しました。

この記事を参考に、ご自身が受給資格を満たしているか確認し、ハローワークで手続きを進めてみましょう。