自己都合で退職した場合、失業保険の受給は難しいと思われがちですが、諦めるのはまだ早いです。
受給条件や受給できるケースを知っておくことは、今後の生活設計において非常に重要になります。
自己都合退職でも、雇用保険の加入期間や離職理由によっては失業保険を受給できる可能性があります。
この記事では、自己都合退職で失業保険がもらえない理由から、受給するための条件、さらには受給できない場合の対処法までを詳しく解説します。

自己都合で退職したら、やっぱり失業保険は絶対もらえないの?

諦めずに、まずはこの記事を読んで、受給資格があるかどうか確認してみましょう!
この記事でわかること
- 受給条件
- 受給期間
- 申請方法
- 注意点
自己都合退職と失業保険

失業保険は、退職後の生活を支え、再就職を促進するための重要な制度です。
自己都合退職の場合、会社都合退職と比較して受給条件が厳しくなるため、制度の理解が不可欠です。
自己都合退職で失業保険がもらえない理由や、受給できるケースについて解説します。
特定理由離職者や特定受給資格者に該当する場合は、自己都合退職でも失業保険を受給できる可能性があるため、確認しましょう。
自己都合退職で失業保険がもらえない理由
自己都合退職で失業保険がもらえないのは、「働く意思と能力があるにも関わらず仕事に就けない状態」という失業保険の受給要件を満たせないからです。
具体的には、以下の理由が挙げられます。
理由 | 詳細 |
---|---|
雇用保険の加入期間が短い | 離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上必要です。特定理由離職者や特定受給資格者の場合は、離職日以前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば受給資格が得られます。 |
働く意思がない | 就職活動を行う意思がない場合や、家業に専念する場合などが該当します。 |
病気やケガですぐに働けない | いつでも就職できる健康状態でない場合、失業保険はもらえません。ただし、傷病手当金を受給できる場合や、特定理由離職者の認定を受けられる場合もあります。 |
ハローワークで失業の認定を受けていない | 失業保険を受給するには、原則4週間に1度、ハローワークで失業状態の認定を受ける必要があります。 |
年金や傷病手当金を受給している | 老齢年金や傷病手当金を受給している間は、失業保険を受給できません。 |
一定以上のアルバイトや副業をしている | 1週間の労働時間が20時間以上、または31日以上の雇用が見込まれる場合は、失業保険の受給資格を失います。アルバイトをする場合は、ハローワークへの申告が必要です。 |
自営業を行っている | 自営業者は雇用保険に加入していないため、失業保険はもらえません。 |

自己都合で会社を辞めたけど、やっぱり失業保険をもらいたい…なんとかならないの?

自己都合退職でも、受給資格を得られるケースがあるから確認してみましょう!
特定理由離職者と特定受給資格者
特定理由離職者とは、正当な理由のある自己都合退職者のことです。
一方、特定受給資格者とは、会社都合で離職せざるを得なかった人を指します。
特定理由離職者と特定受給資格者に該当する場合は、以下のメリットがあります。
項目 | メリット |
---|---|
雇用保険の加入期間 | 離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給資格が得られます。 |
給付制限 | 自己都合退職の場合、通常は7日間の待機期間に加え、2ヶ月間の給付制限がありますが、特定理由離職者や特定受給資格者の場合は、7日間の待機期間後すぐに失業保険が支給されます。 |
給付日数 | 倒産・解雇などにより離職した場合(特定受給資格者)や、病気やケガ、家族の介護などのやむを得ない理由で離職した場合(特定理由離職者)は、一般の離職者よりも給付日数が多くなる場合があります。 |
特定理由離職者に該当するケースは、以下の通りです。
理由 | 詳細 |
---|---|
有期労働契約の更新を希望したが認められなかった | 契約期間満了後、会社から契約更新の申し出がなく、離職した場合。 |
病気やケガ、家族の介護などやむを得ない理由で離職 | 自身の病気やケガ、または家族の介護が必要となり、離職せざるを得ない場合。 |
事業所の移転により通勤が困難になった | 事業所の移転により、通勤時間が大幅に増加し、通勤が困難になった場合。 |
会社からのハラスメントにより退職 | 会社からのパワーハラスメントやセクシャルハラスメントが原因で、退職せざるを得なかった場合。 |
その他、正当な理由があると認められる場合 | 上記以外にも、ハローワークが個別の状況を判断し、正当な理由があると認められる場合があります。 |
特定受給資格者に該当するケースは、以下の通りです。
理由 | 詳細 |
---|---|
倒産 | 会社の倒産により離職した場合。 |
解雇 | 会社から解雇された場合。 |
その他会社都合 | 上記以外にも、会社都合により離職せざるを得なかった場合。 |
自己都合退職であっても、特定理由離職者や特定受給資格者に該当する場合は、失業保険を受給できる可能性があります。
まずはハローワークに相談し、自身の状況がどちらに該当するか確認することが大切です。
失業保険受給のための条件
失業保険を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
特に重要なのは、雇用保険への加入期間、働く意思と能力、そして求職活動の実績です。
これらの条件を満たしているかどうかで、失業保険の受給資格が大きく左右されます。
雇用保険の加入期間
雇用保険の加入期間は、失業保険の受給資格において非常に重要な要素です。
原則として、離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上必要です。
項目 | 内容 |
---|---|
一般的な離職者 | 離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上必要 |
特定理由離職者 | 離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上で受給できる場合がある(有期労働契約の不更新、家庭事情など) |
特定受給資格者(会社都合退職) | 離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上必要 |

雇用保険って、正社員じゃないと入れないんじゃないの?

雇用形態に関わらず、一定の条件を満たせば加入できます。
働く意思と能力
失業保険は、働く意思と能力があるにも関わらず、仕事に就けない状態にある人を支援するための制度です。
そのため、受給するためには、積極的に求職活動を行う意思と、健康状態や家庭環境など、働く上で支障がない能力が求められます。
項目 | 内容 |
---|---|
働く意思 | 積極的に求職活動を行う意思があること(ハローワークでの求職登録、求人への応募など) |
働く能力 | 健康状態が良好で、すぐに仕事に就ける状態であること |
就業不可の例 | 病気やケガですぐに働けない、家事や育児に専念したい、学業に専念したいなどの場合は受給対象外 |

もし、病気で働けなくなったら、失業保険はもらえないの?

病気やケガで働けない場合は、傷病手当金を受給できる可能性があります。
求職活動の実績
失業保険を受給するためには、単に働く意思があるだけでなく、積極的に求職活動を行っている実績が必要です。
具体的には、ハローワークでの職業相談や職業訓練の受講、求人への応募などが挙げられます。
項目 | 内容 |
---|---|
求職活動の具体例 | ハローワークでの職業相談、求人への応募、職業訓練の受講、再就職支援セミナーへの参加など |
求職活動の実績の確認 | 原則として4週間に一度、ハローワークで失業の認定を受ける必要があり、その際に求職活動の実績を報告します |
求職活動実績が不足した場合 | 失業の認定が受けられず、失業保険の支給が停止されることがあります |
失業保険がもらえない場合の対処法
自己都合退職で失業保険がもらえない場合でも、諦めずに確認すべき点があります。
受給資格がないと判断されても、状況によっては他の支援制度を利用できる可能性があるからです。
ハローワークへの相談や、特定理由離職者の可能性の検討、他の支援制度の検討を行うことで、生活の安定と再就職への道が開けるかもしれません。
ハローワークへの相談
失業保険の受給資格がないと判断された場合でも、ハローワークに相談することで、個別の状況に応じたアドバイスや支援が受けられます。
ハローワークの専門家は、さまざまなケースに対応してきた経験から、適切な情報を提供してくれます。

本当に受給資格がないのか、もう一度確認したい

ハローワークで相談することで、新たな道が開けるかもしれません。
特定理由離職者の可能性
自己都合退職であっても、特定理由離職者に該当する場合は、失業保険を受給できることがあります。
特定理由離職者とは、有期労働契約の更新を希望したが認められなかった場合や、出産・育児、家庭事情の急変、通勤困難などが理由で離職した場合を指します。
特定理由離職者に該当するかどうかは、ハローワークで判断されます。
判断に必要な書類や手続きについて、事前に確認しておきましょう。
理由 | 詳細 |
---|---|
有期労働契約の更新拒否 | 有期労働契約の更新を希望したが、事業主から更新を拒否された場合 |
体力不足、心身の障害、病気 | 体力不足、心身の障害、病気により離職した場合 |
家庭事情の急変 | 家族の介護や看護が必要になった場合 |
事業所の移転により通勤が困難になった | 事業所の移転により、通勤が困難になった場合(片道2時間以上、または通勤困難と認められる場合) |
その他 | 会社都合による退職勧奨に応じた場合、セクハラやパワハラを受けた場合、給料の遅延や未払いがあった場合など |
特定理由離職者に該当すると判断された場合、給付制限期間が短縮されたり、受給期間が延長されたりするなどのメリットがあります。
他の支援制度の検討
失業保険の受給資格がない場合でも、国や自治体が提供する他の支援制度を利用できる可能性があります。
求職者支援制度や生活困窮者自立支援制度などが代表的です。

他に利用できる制度はないの?

求職者支援制度や生活困窮者自立支援制度など、様々な支援制度があります。
- 求職者支援制度: 職業訓練を受けながら、月額10万円の生活支援給付金を受けられる制度。
- 生活困窮者自立支援制度: 経済的に困窮している方の自立を支援するための制度。
これらの制度は、失業中の生活を支え、再就職を支援することを目的としています。
制度の利用を検討する際は、ハローワークや自治体の窓口に相談し、自身の状況に合った制度を選択しましょう。
よくある質問(FAQ)
- 自己都合退職の場合、必ず失業保険はもらえないのでしょうか?
-
自己都合退職の場合でも、雇用保険の加入期間や退職理由によっては失業保険を受給できる場合があります。
特定理由離職者や特定受給資格者に該当する場合は、受給資格を得られる可能性があるため、まずはハローワークに相談することが大切です。
- 特定理由離職者とはどのような人を指しますか?
-
特定理由離職者とは、有期労働契約の更新を希望したにも関わらず更新されなかった方や、病気、ケガ、家族の介護などのやむを得ない理由で退職した方を指します。
これらの理由に該当する場合、自己都合退職でも失業保険を受給できる可能性があります。
- 失業保険を受給するための求職活動とは、具体的にどのような活動を指しますか?
-
失業保険を受給するための求職活動とは、ハローワークでの職業相談、求人への応募、職業訓練の受講、再就職支援セミナーへの参加などが挙げられます。
これらの活動を通じて、積極的に再就職を目指していることを示す必要があります。
- 失業保険がもらえない場合、他に利用できる支援制度はありますか?
-
失業保険がもらえない場合でも、求職者支援制度や生活困窮者自立支援制度など、国や自治体が提供する他の支援制度を利用できる可能性があります。
これらの制度は、失業中の生活を支え、再就職を支援することを目的としています。
- ハローワークではどのような相談ができますか?
-
ハローワークでは、失業保険の受給資格の確認、求職活動の方法、職業訓練の情報提供など、再就職に関するさまざまな相談ができます。
専門の相談員が、個別の状況に合わせてアドバイスや支援を提供してくれます。
- 失業保険の手続きはどのように進めれば良いですか?
-
失業保険の手続きは、まずハローワークで求職の申し込みを行い、離職票などの必要書類を提出します。
その後、雇用保険説明会に参加し、失業の認定を受ける必要があります。
失業の認定後、原則として4週間に一度、ハローワークで失業状態の確認を受けることで、失業保険の支給が開始されます。
まとめ
自己都合退職後の失業保険について解説しました。
自己都合退職でも、諦めずに受給資格を確認することが重要です。
- 自己都合退職でも受給できるケースがある
- 受給のための条件と確認ポイント
- 受給できない場合の対処法
まずはハローワークに相談し、ご自身の状況に合わせた支援策を見つけましょう。
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