退職後の生活は、経済的な不安がつきまとうものですよね。
退職後の生活を支える給付金について、どんな種類があって、いくらもらえるのか知っておくことは、安心してセカンドライフを送るための第一歩です。
この記事では、退職後に受け取れる可能性のある給付金の種類と、受給額のシミュレーション方法をわかりやすく解説します。
給付金の種類や受給条件、手続きを知っておくことで、退職後の生活設計をより具体的に立てることができます。

退職後の給付金って、どんな種類があるんだろう?

この記事では、失業保険や再就職手当など、退職後に受け取れる給付金について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 給付金の種類
- 受給条件
- 受給額シミュレーション
- 申請方法
退職後の給付金|受給額シミュレーション

退職後の生活を経済的に支える給付金は、退職後の生活設計において非常に重要な役割を果たします。
どのような種類の給付金があり、それぞれどれくらいの金額が受け取れるのかを把握することは、退職後の生活を安心して送るための第一歩です。
この記事では、退職後に受け取れる可能性のある給付金の種類と、受給額のシミュレーション方法について解説します。
退職後の生活設計における給付金の重要性
退職後の生活設計において、給付金は重要な資金源となり、生活の安定に大きく貢献します。
退職後の収入が途絶える期間をカバーし、新しい仕事を見つけるまでの生活費を確保するため、給付金の受給額を事前に把握することが大切です。
給付金の種類:失業保険、再就職手当、高年齢求職者給付金
退職後に受け取れる給付金は、失業保険(基本手当)、再就職手当、高年齢求職者給付金などがあります。
給付金の種類 | 概要 |
---|---|
失業保険(基本手当) | 雇用保険の被保険者が失業した場合に、求職活動を支援するために支給される。 |
再就職手当 | 失業保険の受給資格者が早期に再就職した場合に、再就職を促進するために支給される。 |
高年齢求職者給付金 | 65歳以上の離職者が、雇用保険の加入期間に応じて受け取れる一時金。 |
退職後の給付金は、生活を支えるだけでなく、再就職への意欲を高める効果もあります。
失業保険(基本手当)の受給条件と手続き
離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上必要
失業保険(基本手当)を受給するためには、原則として離職日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上必要です。
この被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間を指し、加入期間が短い場合は受給資格が得られない可能性があります。
離職日以前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あることが、失業保険(基本手当)を受け取るための基本的な条件となります。
ハローワークで求職の申し込みを行うことも必須です。

雇用保険の加入期間が足りない場合はどうすれば良いですか?

残念ながら、雇用保険の加入期間が不足している場合は、失業保険(基本手当)を受給することはできません。
賃金日額、基本手当日額、給付率、給付日数
失業保険(基本手当)の受給額を決定する要素として、賃金日額、基本手当日額、給付率、そして給付日数が重要です。
これらの要素を理解することで、ご自身が受け取れる給付額をある程度予測できます。
項目 | 説明 |
---|---|
賃金日額 | 離職日直前の6ヶ月間の賃金合計を180で割った額 |
基本手当日額 | 賃金日額に給付率を掛けた額 |
給付率 | 賃金日額によって変動し、50〜80%の範囲で設定される |
給付日数 | 離職理由や雇用保険の加入期間によって異なり、90日から330日の範囲で決定される |
これらの要素を把握することで、ご自身の受給額をより正確に把握できます。
受給額の計算は複雑なので、ハローワークで相談するのがおすすめです。
離職理由や年齢、加入期間による給付日数の違い
失業保険(基本手当)の給付日数は、離職理由、年齢、そして雇用保険の加入期間によって大きく異なり、給付日数は、受給できる総額に直接影響するため、これらの要素を理解しておくことが重要です。
例えば、自己都合退職の場合、給付日数は一般的に90日から150日の範囲で、雇用保険の加入期間が長いほど給付日数も長くなります。
一方、会社都合退職の場合は、年齢や加入期間に応じて給付日数が優遇される場合があります。
離職理由 | 年齢 | 加入期間 | 給付日数 |
---|---|---|---|
自己都合 | 全年齢 | 1年未満 | 90日 |
自己都合 | 全年齢 | 1年以上 | 90日~150日 |
会社都合 | 30歳未満 | 1年未満 | 90日 |
会社都合 | 30歳未満 | 1年以上 | 90日~330日 |
給付日数は、失業中の生活を支える上で重要な要素ですので、ご自身の状況を正確に把握しておきましょう。
離職理由によって、給付日数に大きな差が生じることを理解しておくことが大切です。
会社都合退職、自己都合退職による受給開始時期の違い
失業保険(基本手当)の受給開始時期は、会社都合退職と自己都合退職で大きく異なり、この違いを理解しておくことは、退職後の生活設計を立てる上で非常に重要です。
会社都合退職の場合は、一般的に受給手続き後、約1ヶ月程度で受給が開始されます。
一方、自己都合退職の場合は、7日間の待機期間に加えて、原則として2ヶ月間の給付制限期間があります。
離職理由 | 待機期間 | 給付制限 | 受給開始 |
---|---|---|---|
会社都合 | 7日間 | なし | 約1ヶ月後 |
自己都合 | 7日間 | 2ヶ月 | 約3ヶ月後 |

自己都合退職の場合、すぐに失業保険を受け取る方法はないのでしょうか?

自己都合退職の場合、原則として給付制限期間が適用されますが、特定の条件を満たす場合は、給付制限なしで受給できる可能性があります。
ハローワークでの求職申し込み、受給説明会、失業認定
失業保険(基本手当)を受給するためには、ハローワークでの求職申し込み、受給説明会への参加、そして失業認定という一連の手続きが必要です。
これらの手続きを適切に行うことで、スムーズに失業保険を受給することができます。
手続き | 内容 |
---|---|
ハローワークでの求職申し込み | ハローワークで求職の登録を行い、失業状態であることを申告します。 |
受給説明会 | 失業保険の受給に関する説明を受け、必要な書類や手続きについて確認します。 |
失業認定 | 失業状態であること、求職活動を行っていることをハローワークに証明する手続きで、原則として4週間に1度行う必要があります。 |
これらの手続きは、失業保険を受給するための重要なステップです。
ハローワークの指示に従い、適切に手続きを進めるようにしましょう。
再就職手当と高年齢求職者給付金
再就職を支援する再就職手当と、高年齢者の求職を支援する高年齢求職者給付金は、どちらも雇用保険の給付制度です。
これらの制度を活用することで、退職後の経済的な不安を軽減できます。
再就職手当と高年齢求職者給付金の詳細について、以下でそれぞれ説明していきます。
各見出しの該当箇所を確認して、理解を深めていきましょう。
比較項目 | 再就職手当 | 高年齢求職者給付金 |
---|---|---|
概要 | 失業保険の受給資格者が早期に再就職した場合に支給される手当 | 65歳以上の離職者が受給できる給付金 |
目的 | 早期の再就職を促進 | 高年齢者の求職活動を支援 |
受給対象者 | 失業保険の受給資格者 | 65歳以上の離職者 |
支給額 | 基本手当の支給残日数に応じて変動 | 雇用保険の加入期間に応じて変動 |
申請方法 | 再就職先を通じて申請 | ハローワークで申請 |
支給要件 | 一定の要件を満たす再就職であること | 65歳以上であること、雇用保険の被保険者期間が1年以上であること |
退職後の生活設計に合わせて、どちらの制度が自身に合っているか検討することが重要です。
再就職手当の受給条件と支給額
再就職手当は、失業保険の受給資格がある人が、早期に安定した職業に就いた場合に支給される手当です。
この手当は、早期の再就職を促進し、より安定した雇用を支援することを目的としています。
再就職手当の支給要件は以下の通りです。
支給要件 | 内容 |
---|---|
早期の再就職 | 待機期間満了後、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること |
安定した職業に就いたこと | 1年を超えて雇用されることが確実であること |
離職前の事業主に再び雇用されたものではないこと | 離職前の事業主に再び雇用されたものではないこと |
過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと | 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと |
受給資格決定日以前に採用内定していた事業主に雇用されたものではないこと | 受給資格決定日以前に採用内定していた事業主に雇用されたものではないこと |
雇用保険被保険者として雇用されたこと | 雇用保険被保険者として雇用されたこと |

早期に再就職した場合に支給されるってことは、どれくらいの金額がもらえるんだろう?

再就職手当の支給額は、基本手当の支給残日数と再就職先の雇用形態によって変動します。
基本手当の支給残日数に応じた支給額の変動
再就職手当の支給額は、基本手当の支給残日数に応じて変動します。
具体的には、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の場合と、3分の1以上の場合で支給率が異なります。
支給残日数 | 支給率 | 計算式 |
---|---|---|
所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合 | 70% | 基本手当日額 × 支給残日数 × 70% |
所定給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合 | 60% | 基本手当日額 × 支給残日数 × 60% |
早期に再就職するほど、また、基本手当の日額が高いほど、再就職手当の支給額は大きくなります。
たとえば、基本手当日額が5,000円で、支給残日数が90日の場合、支給率が70%であれば、再就職手当の支給額は315,000円となります。
再就職先を通じて行う申請方法
再就職手当の申請は、原則として再就職先を通じて行います。
申請の流れは以下の通りです。
- 再就職先に再就職手当の申請を依頼: 再就職したことを再就職先に伝え、再就職手当の申請に必要な書類の作成を依頼します。
- ハローワークに申請書類を提出: 再就職先から受け取った申請書類に必要事項を記入し、ハローワークに提出します。
- ハローワークでの審査: ハローワークが申請書類を審査し、支給要件を満たしているかどうかを確認します。
- 再就職手当の支給: 審査の結果、支給要件を満たしていると認められた場合、再就職手当が指定の口座に振り込まれます。
再就職手当の申請には、以下の書類が必要です。
必要書類 | 備考 |
---|---|
再就職手当支給申請書 | ハローワークで入手 |
雇用保険受給資格者証 | ハローワークから交付 |
再就職先の事業主の証明書 | 再就職先に作成を依頼 |
その他ハローワークが指示する書類 |
再就職手当の申請期限は、再就職日の翌日から1ヶ月以内です。
期限を過ぎると申請できなくなるため、早めに手続きを行うようにしましょう。
65歳以上の離職者が対象の高年齢求職者給付金
高年齢求職者給付金は、65歳以上の人が離職した場合に、失業中の生活を支援するために支給される一時金です。
この給付金は、高年齢者の再就職を支援するとともに、生活の安定を図ることを目的としています。
高年齢求職者給付金を受給するための主な要件は以下の通りです。
受給要件 | 内容 |
---|---|
年齢 | 65歳以上であること |
離職理由 | 離職理由に制限はない |
雇用保険の被保険者期間 | 離職日以前1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上あること |
就職の意思と能力 | 就職を希望し、積極的に求職活動を行っていること |
働くことができる健康状態 | 働くことができる健康状態であること |
雇用保険の加入期間に応じた支給額の変動
高年齢求職者給付金の支給額は、雇用保険の加入期間に応じて変動します。
具体的には、被保険者期間が1年以上の場合と、1年未満の場合で支給額が異なります。
被保険者期間 | 支給額 |
---|---|
1年以上 | 基本手当日額の50日分 |
1年未満 | 基本手当日額の30日分 |
高年齢求職者給付金は、一時金として支給されます。
支給額は、基本手当日額(離職前の賃金に基づいて計算される1日あたりの給付額)に、上記の日数を乗じて計算されます。
たとえば、基本手当日額が5,000円で、被保険者期間が1年以上の場合、高年齢求職者給付金の支給額は250,000円となります。
高年齢求職者給付金の申請は、原則として離職日の翌日から1年以内に行う必要があります。
申請手続きは、ハローワークで行います。
申請の際には、以下の書類が必要です。
必要書類 | 備考 |
---|---|
雇用保険被保険者離職票 | 会社から発行 |
本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど) | |
印鑑 | |
預金通帳 |
高年齢求職者給付金は、高年齢者の再就職を支援するための制度です。
要件を満たす場合は、積極的に活用しましょう。
退職後の生活をサポートする制度
退職後の生活を経済的に支える制度は複数存在しますが、これらの制度を理解し、適切に活用することで、安心して次のステップに進めます。
これらの制度は、退職後の生活費の支援、スキルアップの機会の提供、医療保険や年金の継続など、多岐にわたります。
これらの制度の概要を理解することは、退職後の生活設計において非常に重要です。
以下では、職業訓練受講給付金、求職者支援制度、健康保険、国民年金、確定申告の手続きについて解説します。
職業訓練受講給付金で職業訓練受講を支援
職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない求職者が、ハローワークの支援指示を受けて職業訓練を受講する場合に、訓練期間中の生活を支援するために支給される給付金です。
この制度を活用することで、新しいスキルを習得し、再就職に有利になる可能性があります。
職業訓練受講給付金は、月額10万円の訓練手当と、通所手当から構成されています。
受給には一定の条件があり、たとえば、収入が一定以下であることや、訓練に真面目に取り組む姿勢が求められます。

職業訓練を受けてスキルアップしたいけど、お金が心配だな

職業訓練受講給付金を利用すれば、生活費の心配をせずにスキルアップを目指せます。
雇用保険を受給できない求職者を支援する求職者支援制度
求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者(たとえば、離職理由が自己都合であるために給付制限を受けている人や、雇用保険の加入期間が短い人など)を対象に、無料で職業訓練を提供し、再就職を支援する制度です。
この制度を活用することで、雇用保険を受給できない人も、スキルアップや再就職のサポートを受けられます。
求職者支援制度では、さまざまな分野の職業訓練が提供されており、たとえば、ITスキル、介護、医療事務、Webデザインなどがあります。
訓練期間はコースによって異なりますが、数ヶ月にわたる集中訓練を通じて、実践的なスキルを習得できます。

雇用保険がもらえないけど、何か支援制度はないのかな

求職者支援制度を利用すれば、無料で職業訓練を受けて、就職に必要なスキルを身につけられます。
健康保険の手続き:任意継続、国民健康保険、家族の扶養
退職後の健康保険の手続きは、任意継続被保険者制度、国民健康保険への加入、家族の健康保険の扶養に入るという3つの選択肢があります。
どれを選択するかは、個々の状況や経済状況によって異なりますが、それぞれの制度の特徴を理解し、適切な選択をすることが重要です。
選択肢 | 特徴 |
---|---|
任意継続被保険者制度 | 退職前の健康保険を継続する制度。ただし、保険料は全額自己負担となり、事業主負担分も上乗せされるため、保険料が高くなる場合がある。 |
国民健康保険 | 各市区町村が運営する健康保険。保険料は所得に応じて決定される。 |
家族の扶養に入る | 家族(主に配偶者)が加入している健康保険の被扶養者となる。ただし、収入が一定額以下であることなどの条件がある。 |
退職後の健康保険は、原則としていずれかの制度に加入する必要があります。
無保険の状態は医療費が高額になるリスクがあるため、必ず手続きを行いましょう。
国民年金への加入手続き
退職後は、厚生年金から国民年金への切り替え手続きが必要になります。
国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての人が加入する義務のある年金制度です。
国民年金への加入手続きは、住所地の市区町村役場の窓口で行います。
手続きには、年金手帳や身分証明書などが必要になります。

年金の手続きって、どうすればいいんだろう

国民年金への加入手続きは、市区町村役場の窓口で行います。年金手帳と身分証明書を持って手続きしましょう。
確定申告で税金の手続き
退職した年は、確定申告が必要になる場合があります。
確定申告とは、1年間の所得を計算し、所得税を納める手続きです。
確定申告が必要になるのは、たとえば、退職金を受け取った場合や、年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合などです。
確定申告を行うことで、払いすぎた税金が還付されることもあります。
退職後の各種手続きは煩雑ですが、これらの手続きを適切に行うことで、退職後の生活を安心して送ることができます。
退職後の手続きについて不明な点がある場合は、ハローワークや市区町村役場などの窓口で相談することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
- 失業保険はいつもらえますか?
-
会社都合退職の場合は、申請から約1ヶ月後に失業保険が振り込まれます。
自己都合退職の場合は、7日間の待機期間と原則2ヶ月間の給付制限があるため、申請から約3ヶ月後となります。
- 給付制限期間中でもアルバイトはできますか?
-
はい、アルバイトは可能です。
ただし、待機期間中のアルバイトは避けるべきです。
1日の勤務時間は4時間以上、1週間の勤務時間は20時間未満に調整し、失業認定日にアルバイトの状況を正確に申告してください。
- 再就職手当はどのような人がもらえますか?
-
失業保険の受給資格がある人が、早期に安定した職業に就いた場合に支給されます。
受給には、待機期間満了後、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることなど、いくつかの条件があります。
- 65歳以上でもらえる給付金はありますか?
-
はい、65歳以上の方が離職した場合は、高年齢求職者給付金を受け取れる可能性があります。
受給には、離職日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上あることなどの要件があります。
- 自己都合退職でも給付制限なしで失業保険を受け取れるケースはありますか?
-
はい、正当な理由(病気、家庭の事情、人員整理への応募、配偶者の転勤など)がある場合や、公共職業訓練を受ける場合は、給付制限なしで受給できる可能性があります。
- 失業保険の手続きはどこで行いますか?
-
失業保険の手続きは、ハローワークで行います。
求職の申し込み、受給説明会への参加、失業認定などの手続きが必要です。
まとめ
退職後の生活を経済的に支える給付金について、この記事では、安心してセカンドライフを送るための第一歩として、受給額のシミュレーション方法や申請方法などを解説しました。
- 給付金の種類と受給条件
- 受給額のシミュレーション方法
- 申請方法と必要書類
- 退職後の生活をサポートする制度
この記事を参考に、ご自身が受け取れる給付金の種類や金額を確認し、具体的な生活設計を立てて、次のステップへ進みましょう。
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