会社を退職され、失業保険の受給を検討されているみなさん。
生活費の不安を抱えながら、自分が一体いくらもらえるのか、いつから受け取れるのか、気になっていることでしょう。
失業保険は、退職前の給与や雇用保険の加入期間によって受給額が大きく変動するため、ご自身の状況を把握することが大切です。
この記事では、受給額の早見表やシミュレーションを通じて、具体的な金額をイメージできるよう、わかりやすく解説していきます。

自分がいくらもらえるのか、簡単に計算できる方法はないの?

この記事では、早見表やシミュレーションを用いて、おおよその受給額を簡単に把握できます。
この記事でわかること
- 雇用保険加入期間別の給付日数
- 年齢別の基本手当日額上限額
- 基本手当日額の計算方法
- ハローワークでの手続き
失業保険受給額の早見表

失業保険の受給額は、退職前の給与や雇用保険の加入期間によって大きく変動しますが、まずはご自身のおおよその受給額を把握することが重要です。
ここでは、雇用保険加入期間と年齢別の基本手当日額上限額を早見表形式で紹介し、ご自身がいくらもらえるのか、どれくらいの期間もらえるのかを把握できるよう、受給額の目安を立てる手助けをします。
雇用保険加入期間別の給付日数
雇用保険の加入期間は、失業保険の給付日数に影響を与える重要な要素です。
加入期間が長ければ長いほど、より多くの給付日数を受けられる可能性があります。
雇用保険加入期間 | 給付日数 |
---|---|
1年未満 | 支給なし |
1年以上5年未満 | 90日 |
5年以上10年未満 | 120日 |
10年以上20年未満 | 180日 |
20年以上 | 210日 |

雇用保険に加入していた期間が長いほど、給付日数が増えるのね

その通りです。加入期間が長ければ、より安心して再就職活動に専念できます。
雇用保険の加入期間を確認し、ご自身がどれくらいの期間給付を受けられるのか把握することで、今後の生活設計を立てやすくなります。
年齢別の基本手当日額上限額
基本手当日額には、年齢に応じて上限額が定められています。
退職時の年齢によって、受け取れる1日あたりの金額が変わります。
年齢 | 基本手当日額上限額 |
---|---|
29歳以下 | 7,130円 |
30歳~44歳 | 7,950円 |
45歳~59歳 | 8,780円 |
60歳~64歳 | 7,950円 |
基本手当日額の上限額は毎年見直されるため、最新の情報をハローワークで確認することが大切です。
失業保険の受給額シミュレーション
失業保険の受給額は、退職前の給与や雇用保険の加入期間によって大きく変動します。
ご自身の状況を正確に把握し、適切な金額を受け取ることが重要です。
失業保険の受給額を把握するためには、基本手当日額の計算方法、雇用保険の加入期間と給付日数、受給要件と手続きの流れを理解する必要があります。
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
基本手当日額の計算方法
基本手当日額とは、失業保険として1日に受け取れる金額のことです。
原則として、離職日直前6ヶ月の賃金を180で割って算出した金額の約50~80%が基本手当日額となります。
基本手当日額の計算式
項目 | 内容 |
---|---|
賃金日額 | 離職日直前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180 |
給付率 | 賃金日額に応じて50~80%(60~64歳は45~80%) |
基本手当日額 | 賃金日額 × 給付率 |
基本手当日額上限額 | 年齢によって上限額が定められている(例:30歳未満は6,960円、45歳未満は7,711円、60歳未満は8,460円) |

基本手当日額って、上限があるんですね。私の場合はいくらになるんだろう?

基本手当日額は、年齢や賃金によって上限額が定められています。ご自身の年齢と賃金を確認し、上限額を超えないか確認してみましょう。
雇用保険の加入期間と給付日数
雇用保険の加入期間が長ければ長いほど、また離職理由によって、失業保険の給付日数も異なります。
ご自身の雇用保険加入期間と離職理由を確認し、適切な給付日数を把握することが重要です。
失業保険の給付日数
離職理由 | 雇用保険加入期間 | 給付日数 |
---|---|---|
会社都合退職 | 1年未満 | 90日 |
会社都合退職 | 1年以上5年未満 | 90日~180日 |
会社都合退職 | 5年以上10年未満 | 120日~240日 |
会社都合退職 | 10年以上20年未満 | 180日~270日 |
会社都合退職 | 20年以上 | 240日~330日 |
自己都合退職 | 1年以上10年未満 | 90日~120日 |
自己都合退職 | 10年以上20年未満 | 120日~150日 |
自己都合退職 | 20年以上 | 150日 |
受給要件と手続きの流れ
失業保険を受給するためには、ハローワークでの求職の申し込みや失業状態にあることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
要件を満たしているか確認し、適切な手続きを行うことが重要です。
失業保険の受給要件
項目 | 内容 |
---|---|
失業状態 | 就職意思と能力があるにも関わらず、職業に就けない状態 |
離職日以前の被保険者期間 | 原則として、離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること。ただし、倒産や解雇など特定理由離職者の場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あれば受給可能 |
求職活動 | ハローワークで求職の申し込みを行い、積極的に求職活動を行っていること |
失業保険の受給手続きの流れ
- 離職票を受け取る
- ハローワークで求職の申し込みと受給資格の決定
- 雇用保険受給説明会に参加
- 求職活動を行う
- 失業認定を受ける
- 失業保険の受給
失業保険の受給額は、基本手当日額、雇用保険の加入期間、離職理由によって決定します。
ご自身の状況を把握し、ハローワークで相談しながら、適切な手続きを進めていきましょう。
失業保険受給のための手続き
失業保険の受給は、ハローワークでの手続きが不可欠です。
受給資格を得るためには、求職の申し込みから受給説明会への参加、そして失業認定まで、決められたステップを踏む必要があります。
一つでも欠けると受給が遅れたり、受給資格を失ったりする可能性があるので注意が必要です。
受給のための手続きをスムーズに進めるために、それぞれのステップを丁寧に解説していきます。
特に、4週間に一度の失業認定は、継続して失業保険を受け取るために非常に重要な手続きです。
ハローワークでの求職申し込み
ハローワークでの求職申し込みは、失業保険の受給資格を得るための最初のステップです。
求職の申し込みをすることで、ハローワークはあなたの就職を支援するとともに、失業の状態にあることを確認します。
ハローワークでの求職申し込みには、以下のものが必要です。
必要書類 | 内容 |
---|---|
離職票 | 以前の会社から発行される、退職を証明する書類 |
個人番号確認書類 | マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー記載の住民票のいずれか |
身元確認書類 | 運転免許証、パスポートなど |
印鑑 | 認印で可 |
写真 | 縦3.0cm×横2.5cmのサイズで、6ヶ月以内に撮影したもの |
預金通帳またはキャッシュカード | 本人名義のもの |

ハローワークってなんだか怖いイメージがあるけど、ちゃんと相談に乗ってくれるのかな?

ハローワークは、みなさんの再就職を支援する場所なので、気軽に相談してみてください。
求職申し込みは、ハローワークの窓口で行います。
ハローワークの職員が、あなたの職歴や希望条件などを聞き取り、求職票を作成します。
求職票は、あなたに合った仕事を探すための基礎となる情報です。
受給説明会への参加
受給説明会は、失業保険の制度内容や受給に関する注意事項を理解するための重要な機会です。
受給資格を得た後、最初に開催される説明会への参加が必須となっています。
説明会では、以下の内容について説明があります。
説明内容 | 詳細 |
---|---|
失業保険の受給要件 | 受給資格や受給期間、給付額など、失業保険の基本的な仕組みについて |
認定日の手続き | 失業認定を受けるために必要な手続きや書類、求職活動の報告方法について |
注意事項 | 不正受給や受給中のアルバイトに関するルールなど、受給にあたって注意すべき点について |
求職活動支援 | ハローワークが提供する求職支援サービス(職業訓練、求人情報の提供、職業相談など)について |
雇用保険受給資格者初回説明会 | 雇用保険の制度、不正受給に関する注意、再就職支援に関する説明など |

受給説明会って、なんだか難しそう。ちゃんと理解できるかな?

説明会では、制度の概要や手続きの流れをわかりやすく説明してくれるので、安心してください。
受給説明会に参加することで、失業保険の制度を正しく理解し、スムーズに受給手続きを進めることができます。
不明な点があれば、遠慮せずに質問するようにしましょう。
雇用保険受給資格者証の受け取り
雇用保険受給資格者証は、あなたが失業保険を受給する資格があることを証明する書類です。
この書類は、受給説明会に参加した後、ハローワークから交付されます。
雇用保険受給資格者証には、以下の情報が記載されています。
記載情報 | 内容 |
---|---|
氏名 | あなたの氏名 |
生年月日 | あなたの生年月日 |
受給資格決定年月日 | 受給資格が決定した年月日 |
離職理由 | 離職した理由(自己都合、会社都合など) |
給付日数 | 失業保険を受給できる日数 |
基本手当日額 | 1日に受け取れる失業保険の金額 |
受給期間 | 失業保険を受給できる期間 |
雇用保険受給資格者証は、失業認定を受ける際や、再就職が決まった際に必要となる重要な書類です。
紛失しないように大切に保管しましょう。
4週間に一度の失業認定
失業認定は、失業状態にあることをハローワークに申告し、失業保険の受給資格を確認してもらうための手続きです。
4週間に一度、指定された認定日にハローワークに出向き、失業認定申告書を提出する必要があります。
失業認定を受けるためには、以下のものが必要です。
必要書類 | 内容 |
---|---|
雇用保険受給資格者証 | ハローワークから交付された、受給資格を証明する書類 |
失業認定申告書 | 4週間ごとの求職活動の状況や収入の有無などを記入する書類。ハローワークで配布されます。 |
印鑑 | 認印で可 |
求職活動を行ったことを証明できるもの | 求人への応募履歴、ハローワークの相談記録、セミナー参加証明書など、求職活動を行ったことがわかる書類 |

4週間ごとにハローワークに行くのは、ちょっと面倒だな。

失業認定は、失業保険を受け取るために必要な手続きなので、忘れずに行きましょう。
失業認定では、以下の点が確認されます。
- 失業状態にあること
- 求職活動を行っていること
- 収入がないこと
失業認定を受けるためには、積極的に求職活動を行う必要があります。
求人への応募だけでなく、ハローワークの職業相談、セミナーへの参加なども求職活動として認められます。
よくある質問(FAQ)
- 失業保険はいつもらえるのですか?
-
失業保険は、ハローワークで受給資格が決定してから、通常1ヶ月程度で最初の給付金が振り込まれます。
ただし、自己都合退職の場合は、待機期間に加えて給付制限期間があるため、さらに時間がかかる場合があります。
- 失業保険の受給額はどのように決まりますか?
-
失業保険の受給額は、退職前の賃金(離職日直前6ヶ月の賃金)と年齢、雇用保険の加入期間によって決まります。
賃金日額に給付率(50~80%)をかけたものが基本手当日額となり、それに給付日数をかけたものが総受給額となります。
- ハローワークにはどのような手続きが必要ですか?
-
ハローワークでは、まず求職の申し込みを行い、受給資格の決定を受けます。
その後、雇用保険受給説明会に参加し、失業認定を受ける必要があります。
失業認定は原則として4週間に1度行われ、その際に求職活動の状況を報告します。
- 失業保険を受給中にアルバイトはできますか?
-
失業保険の受給中にアルバイトをすることは可能ですが、労働時間や収入によっては、失業保険の減額や支給停止となる場合があります。
アルバイトをする場合は、事前にハローワークに申告し、指示を受けるようにしましょう。
- 失業保険をもらうには、どんな条件がありますか?
-
失業保険を受給するには、ハローワークで求職の申し込みを行い、就職しようとする意思と能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態である必要があります。
また、離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上必要です。
ただし、倒産や解雇などによる離職の場合は、1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば受給できる場合があります。
- 失業保険の受給期間はどのくらいですか?
-
失業保険の受給期間は、離職理由や雇用保険の加入期間、年齢によって異なります。
自己都合退職の場合は90日~150日、会社都合退職の場合は90日~330日の範囲で決定されます。
受給期間は原則として、離職日の翌日から1年間です。
まとめ
この記事では、失業保険の受給額について、早見表やシミュレーションを用いてわかりやすく解説しました。
ご自身の状況を把握し、適切な金額を受け取ることが重要です。
- 雇用保険加入期間別の給付日数
- 年齢別の基本手当日額上限額
- 基本手当日額の計算方法
- ハローワークでの手続き
この記事を参考に、ハローワークで相談しながら、失業保険の受給手続きを進めていきましょう。
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